骨粗鬆症とは

骨は他の体の部分と同じように新陳代謝を繰り返していますが、この新陳代謝のために働く細胞として、古くなった骨を壊す細胞を破骨細胞、新しい骨を生成する細胞の骨芽細胞があります。破骨細胞と骨芽細胞のバランスによって常に骨量は安定し、骨の強さにつながります。加齢によって破骨細胞が増えてしまうとバランスが崩れ、骨の中はスカスカになってしまうのです。このような症状を骨粗鬆症と言います。

 

機能性カルシウムの働き

「カルシウムというと骨や歯の素材」と思われがちですが、他にも大切な働きがたくさんあります。カルシウムには貯蔵カルシウムと機能カルシウムがあり、貯蔵カルシウムは骨としてカルシウムが貯蔵されている状態のことを言い、機能カルシウムは血液や筋肉、神経などに存在しているカルシウムのことを言います。

 

機能カルシウムは心臓や脳などの大切な部分の状態をコントロールする働きがあり、なくてはならない栄養分なのです。また血液や体液が酸性に傾かないようにアルカリ性を保つことで、白血球機能と免疫力の低下を予防します。

 

また神経の伝達、筋肉の収縮などにも関係しており、筋肉の緊張や神経の興奮を抑えるなど、疲労やストレス解消をサポートします。他にも鉄の代謝をサポートしたり、胃液分泌のコントロールにかかわるなど、さまざまな働きがあるのです。

 

貯蔵カルシウムの働き

貯蔵カルシウムは骨としてカルシウムの貯蔵庫となっています。体内のカルシウムが不足しても、すぐにその影響が出ないのは、破骨細胞が盛んに働き、骨から必要なカルシウムを血液中に溶かし出してくれるからなのです。そのかわり当然、カルシウムの補給がなければ骨はスカスカになってしまうので、カルシウム不足が続くことは骨粗鬆症のリスクを高めることになります。

 

骨粗鬆症とエストロゲンの関係

エストロゲンは破骨細胞の働きを、必要に応じて抑える作用があります。そのためエストロゲンは、破骨細胞と骨芽細胞のバランスの見張り番役でもあるのです。二つの細胞のバランスが取れているからこそ、骨密度が保たれます。

 

しかしエストロゲンは20代、30代半ばまでは豊富に分泌されていますが、その後からはだんだん減少していき40代〜50代で極端に激減します。エストロゲンが減ること自体は、女性が迎える閉経のための準備なので仕方ありません。しかしこの時期を更年期と言い、骨粗鬆症予備軍が増える時期でもあるのです。そのため30歳半ばを過ぎたら、骨粗鬆症の予防を考える時期なのです。

 

出産と骨粗鬆症

女性の多くは出産を経験します。妊娠中には赤ちゃんの骨や歯などをつくるために、カルシウムを大量に必要とします。しかし妊娠中や授乳中に必要なカルシウムをしっかり摂れない場合は、赤ちゃんに影響を与えないためにお母さんの破骨細胞が活発に働きどんどん骨を溶かしていきます。

 

そのため出産後のお母さんは骨密度が一時的に薄くなることもあるのです。最近、結婚年齢が30代〜40代と遅い傾向にあるため、出産も当然35歳以上になることも増えています。そのため出産後の骨密度が低下したまま、エストロゲンの低下を迎えることになることもあるのです。つまり遅い出産は、よりその後の骨粗鬆症リスクが高くなるため、予防もしっかり考えることが必要になります。

 

骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症の予防のためには、まずカルシウム不足を続けないことです。日本人は平均的にカルシウム不足の傾向があると言われています。そのためしっかりカルシウム摂取を意識して、食生活を考えることが重要です。しかしカルシウムを多く含む海藻、野菜、小魚など、欧米化した食生活に変化した日本の食生活ではなかなか十分に摂れないこともあります。そのためできるだけカルシウム食品を摂取するとともに、サプリなども上手に利用することも必要ではないでしょうか。